カケラ 「自殺に詳しいの?」 「自殺に詳しいの?」その問いかけに僕は驚いて顔を上げた。僕だけがいた教室に、前園君が入ってきたのはわかっていたけど、まさか話しかけられるなんて思っていなかったから。僕は思わず、読んでいた「自殺の仕方」を閉じて、表紙を下にして机に置いた。本を... 2021.06.02 カケラ
カケラ 僕は、ただ一人 僕は、ただ一人、君がいればそれでよかった。だけれど、君から距離をとったのは、僕からだった。つまらないプライドと、羞恥、申し訳なさ。だって僕と君とじゃ不釣り合いじゃあないか。どうして君は僕と仲良くしてくれていたんだろう。どうして僕は、あの頃の... 2021.06.01 カケラ