「結局のところ、僕らは捨てられたのさ」

「結局のところ、僕らは捨てられたのさ」

ラーザの声にミミが見上げると、ラーザは廃棄物の山の上で気持ちよさそうに寝転がり、空を見上げていた。

「捨てられた?」
「もういらないってことさ」

ラーザは適当に手に触れたものを持ち上げてみる。目の取れてしまった薄汚れた女児向けの人形で、ラーザは思い切り顔をしかめてそれを遠くに放ってしまう。

「いらなくない」
「いらなくないなら捨てない……」
「いらなくない!」

ミミの剣幕に、ラーザは口をつぐんだ。

「ご主人様を探しにいく」

ミミのその言葉に、ラーザは跳ね起きた。

「やめとけよ」
「行くもん」
「……そもそもさ、まず、ここから出られるかわからない。ここに来て半年経つ俺だって、この国の端っこにさえたどり着いたことがないんだぜ」
「国?」

ラーザは言わんこっちゃないという顔をして、大声を上げて笑った。

「お前は今自分がどこにいるのかさえも知らないのに、ゴシュジンサマに会いに行こうとしていたのか」
「ここは日本じゃないの?」
「ここは、通称ゴミの国。世界中のゴミが捨てられる場所さ」

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