祈りなさい、と真っ暗な部屋の中でシスターは言った。
僕らは怖くてガタガタ震えていた。
外では鉄砲の音が響いていて、今にも兵隊がここに押し入ってくるかもしれない。
シスターは、手を組み合わせ目を閉じ、口の中で小さく聖書の一節を唱える。
僕たちは顔を見合わせた後、おずおずとシスターに倣ってお祈りを始めた。
次第に僕の中から、外の雑音は消えた。
ああ、祈りは、恐怖に対抗する唯一の術なのだ。
そう理解した時、僕の瞳から、涙がポロポロ出てきた。
ああ、それでも、どうしても、僕はまだ、みんなと生きていたい。